マリモの成長には、光合成するための光や二酸化炭素の他にも、様々な塩類やミネラル分が必要です。
実験によって、マリモは以下の物質がないと育たない性質が確認されています。
- 塩化カルシウム
- ケイ酸ナトリウム
- 塩化カリウム
- 硝酸カリウム
- 硫酸マグネシウム
- ホウ酸
- 鉄
特に塩化カルシウムと硫酸マグネシウムが不足するのは致命的で、マリモが白くなったり枯れたりすることが報告されています。どちらかと言うと重要なのはカルシウムの方だそうです。
舘脇正和教授が人工合成培地を使って行った培養実験によると、培地から特定の無機物を除いた「欠乏培地」で影響がみられたのは、カルシウムイオンとマグネシウムイオンでした。カルシウムがない場合、短期間で細胞は白化・枯死しました。マグネシウムがない場合は、細胞が肥大し、原形質吐出を起こす一方、一部、わずかに成長するものもありました。したがって、マグネシウムイオンの働きをカルシウムイオンで一部代替できはするものの、その逆はできないとわかります。
若菜勇 マリモ大全
カルシウムイオンは細胞が伸びたり生きるために必要です。その他、硝酸イオンはマリモの成長に不可欠な窒素源とされます。
実際にマリモが住む湖でも、これらのミネラル分が豊富であることが確認されています。
湖水の水質を比較したところ、マリモが生育する湖沼は生育しない湖沼より、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどミネラルの平均濃度が1.4〜2.9倍高いことが分かりました。マリモは釧路湿原の湖沼群のような最近まで海であった海跡湖に多く分布し、またマリモの生長は海水を若干加えた培養液で促進されることなどから、マリモの生育分布を制限する環境要因の一つとしてミネラルの影響が想定されています。
一般財団法人北海道開発協会「開発こうほう」ほっかいどう学 第45回は 北海道のマリモ(2)-釧路湿原、阿寒カルデラ、チミケップ湖、猿払・浜頓別
栄養素は一つが欠けてもダメ?
植物の生育は、必要な栄養素のうち最も不足している要素の量によって制限されることが知られています(リービッヒの最小律)。
これらの栄養分をまんべんなく与えなければ理想的な成長はしないと思われますが、一般家庭ではなかなか難しいと思います。
しかし、お土産のマリモにこれらのミネラル分を補うための『マリモの栄養剤』が販売されています。
これを使えば、家庭で育てているマリモにも必要な栄養分を与えることができるでしょう。

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