マリモをよく観察すると、細い糸のようなものが集まっていることが分かります。この一本一本は『糸状体』と呼ばれます。
この糸のようなマリモの身体は、どれも一本の長い藻のように見えます。

では、マリモは単細胞生物なのでしょうか?
目次
単細胞生物とは
まず、単細胞生物とは『一つの細胞だけでできている生物』のことです。
例えば、ミカヅキモやゾウリムシは、一つの細胞で栄養を取り入れ、成長して子孫を残します。
その一つの細胞だけで、生きるために必要な働きを全て行っているのが単細胞生物の特徴です。
マリモは多細胞生物
マリモは単細胞生物ではなく、たくさんの細胞からできた多細胞生物です。
見た目は切れ目のない一本の糸のようですが、顕微鏡で観察すると、途中に細胞を区切る壁があります。竹の茎が節によって区切られているように、マリモの糸状体も複数の細胞が連なっているのです。
さらに、糸状体は成長すると枝分かれします。細胞が分裂し、新しい細胞や枝が増えることで、少しずつ長く複雑な形になっていきます。
マリモは、糸状の多細胞性緑藻に分類されています。クロレラやミカヅキモ、ラミドモナス、コッコミクサなどの単細胞性緑藻とは身体の作りが違っているのです。
(マリモの顕微鏡写真は以下のページをご覧ください)
一つの細胞にも核がたくさんある
マリモの細胞には、少し変わった特徴があります。
一般的な動物や植物では、一つの細胞に一つの核があることが普通ですが、マリモが属するシオグサ目の藻類では一つの細胞内に複数の核が含まれています(これは多核体と呼ばれます)。[1]富士北麓、精進湖と本栖湖におけるフジマリモの発見[2]分類について :: まりもについてもっと詳しく知りたい人のために :: 国立科学博物館
つまりマリモは、「一つの細胞が長く伸び、それがいくつも繋がっている」という構造をしています。
一つ一つの細胞が比較的大きいため、細胞の境界を肉眼で見分けることはできません。そのため、細い糸全体が一つの細胞のようにも見えるのです。しかし、実際には、その糸は複数の細胞で構成されています。
丸いマリモは一本の身体ではない
私たちが「マリモ」と聞いて思い浮かべるのは、緑色の真ん丸な姿でしょう。

当然、あの球体全体は一本の糸状体からできているわけではありません。球状のマリモは、たくさんの糸状体が集まり絡み合ってできています。
一本の糸状体はおよそ1~4cmほどの長さで、それらが集まることで球状の集合体になります。
つまり、細胞が繋がって糸状体を作り、その糸状体がたくさん集まって丸いマリモを作っています。
マリモと単細胞生物との違い
単細胞生物は一つの細胞だけで一つの生物として生活しますが、上述のように、マリモはそうではありません。
マリモの身体は一つの細胞だけでは完結していません。しかし、人間のように細胞が器官を作り、複雑な役割分担をしているわけでもありません。
マリモは、比較的よく似た細胞が連なって身体を作る、比較的単純な構造の多細胞生物なのです。
まとめ
マリモは、一つの細胞だけでできた単細胞生物ではなく、複数の細胞からできる多細胞生物です。
細長い細胞がいくつもつながって糸状体を作り、さらに多数の糸状体が集まることで、私たちがよく知る丸いマリモになります。
緑色の一つのボールの中には、無数の細胞と糸状体が重なり合って作る、複雑な構造が隠されています。

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