マリモのお菓子の代表『まりも羊羹』の歴史について


マリモを模したお菓子として有名なのは、やっぱり『まりも羊羹』(まりもようかん)です。

阿寒湖を旅行した方なら、楊枝で指すとプチっと割れて真ん丸な羊羹が出てくるあのお菓子を一度は食べたことがあるのではないでしょうか。

楊枝を刺したまりも羊羹
楊枝を刺したまりも羊羹

そんなまりも羊羹はいつどのように生まれたのかを調べてみました。

まりも羊羹の元は日の丸羊羹?

実は全く同じ食べ方の丸い羊羹は、まりも羊羹より前から存在しているのです。

そのお菓子は『玉ようかん』と呼ばれ、山形県などで古くから親しまれてきました。丸いゴム容器の中に羊羹を流し込み、食べる時に楊枝でゴムを割ると中からつるんとした羊羹が飛び出す仕組みです。

調べてみると、緑色でないまりも羊羹が色々な名前で販売されていることが確認できます。例えば、コキアようかんもその一つです。

コキアようかんの写真
コキアようかん

現在では玉ようかんといえば山形県の名物として知られていますが、この独特な包装方法は見た目の面白さだけでなく、羊羹の乾燥を防ぎ持ち運びしやすいという利点もありました。

さらに遡れば、玉ようかんは戦時中の1937年頃に福島県二本松市の和菓子店『玉嶋屋』が開発した『日の丸羊羹』であり、戦争下で兵士が携帯しやすく衛生的に食べられる羊羹として考案されたのが始まりとされます。

それが戦後に「玉ようかん」の名で販売されることになったようです。

まりも羊羹もこの玉ようかんの技術を応用し、阿寒湖のマリモをイメージした真ん丸で緑色の羊羹として誕生しました。

まりも羊羹の誕生について

阿寒湖のマリモは1921年に天然記念物、1952年には特別天然記念物に指定され、その知名度は全国へ広がっていきました。観光地として発展していた阿寒湖温泉では、マリモをモチーフにした土産品への需要も高まっていました。

そうした中、1953年創業の北海まりも製菓が、阿寒湖を代表する土産菓子として「まりも羊羹」の製造・販売を開始しました。緑色で丸い姿は湖底に生息するマリモを表現したもので、楊枝でゴムを割ると羊羹が飛び出すというユニークな食べ方も人気を集めました。

当時はまだ現在ほど観光土産の種類が多くなく、阿寒湖を訪れた人々はマリモをそのまま持ち帰ることはできなくても、マリモの姿を模したお菓子を持ち帰ることはできました。

そのため、まりも羊羹は阿寒湖土産の定番として広く知られるようになりました。

現代のまりも羊羹

現在でもまりも羊羹は阿寒湖を代表する銘菓として販売されています。定番の羊羹だけでなく、いちご味やゆず味、コーヒー味、マンゴー味など様々なバリエーションも登場し、観光客向けの商品として進化を続けています。

(緑でなければただの玉ようかんな気もしますが…)

一方で、楊枝でプチっと割る独特の食べ方や、マリモそっくりの丸い見た目は誕生当時からほとんど変わっていません。阿寒湖を訪れた人々が旅の思い出として購入する定番のお土産であり続けています。

近年ではSNSなどで「食べ方が面白いお菓子」として紹介されることも増え、昔からの北海道ファンだけでなく若い世代にも知られる存在となっています。

阿寒湖のマリモとともに、まりも羊羹もまた地域を代表する名物として知られています。

ちなみにまりも羊羹は複数の製菓会社によって製造されているため、商品名は会社ごとに異なります。

『まりもようかん』や『まりもの湖羊羹』、『まりもの古里羊かん』などがあります。

参考文献


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