マリモの一番の脅威は実は水草かもしれません。
『マツモ』と言う、ちょっと『マリモ』に似た名前の水草があります。

金魚藻とも呼ばれ、よく水槽に入れられるので、ペットに観賞魚を育てたことのある方なら馴染みのある水草かもしれません。
このマツモですが、阿寒湖の湖底には大量に生息しており、繁殖するとマリモの転がりや光合成を妨害するので問題となります。
目次
マツモについて
細長く分岐する葉や枝が特徴的な淡水多年草です。
その形状が松の葉(小枝)に似ていることが名前の由来であり、漢字では『松藻』と書かれます。
しかし、実際にはマツモは藻ではなく、マツモ目マツモ科の水草です。
英語ではホーンワート(hornwort)と呼ばれ、学名は一般に『Ceratophyllum demersum』です。
阿寒湖周辺に多く生息していることが知られています。[1]マツモ 学名 Ceratophyllum demersum マツモ科
水底に根を張らずに生息できるので、水中を漂ったり、茎の下部が泥や他の植物に引っ掛かった状態でも育つことができます。
ふわふわとして無害そうな水草ですが、大量に絡み合って大きくなり日陰を作ったり物理的にマリモの生息域を奪うことが知られています。繁殖すると、水の流れを遮ってマリモの回転を邪魔する厄介な存在です。
阿寒湖のマリモ群生地であるチュウルイ湾周辺に生息する水草の約88%がマツモであることが報告されており、マリモと生息地を奪い合う関係にあります。

(出典:特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」生育状況悪化の原因究明及び保存対策検討調査)
成長が比較的速く、分かれた茎からも成長できるので数を爆発的に増やします。
阿寒湖で行われた水草除去のときの写真を見ると、絡み合って大きくなったマツモが大量に引き揚げられている様子が確認できます。

(出典:阿寒湖で水草大規模除去 マリモ保全へ実証実験 釧路市教委:北海道新聞デジタル)
現在の球状マリモの大幅な個体数減少はマツモの繁殖による影響が大きいことが報告されていますが、水草対策は順調には進んでいないようです。[2]おわりに―論文は責任逃れのための絵空事|マリモ博士の研究日記
マツモは食べられる?
阿寒湖温泉街の『食事の店あずさ』では『まりもラーメン』という名物料理があります。
何がマリモなのかと言えば、マツモをマリモに見立ててラーメンのトッピングにしているのです。

…とは言え、このマツモは今まで話に出ていたマツモとは、同じ名前の全く別の種類(食用の海藻、ナガマツモ科の褐藻類、Analipus japonicus)のようです。この海藻のマツモは北海道や東北の海で育つ高級食材です。
つまり、マリモの天敵のマツモが食べられるわけではありません。水草のマツモは魚の餌には最適ですが、人は食べられません。
近くには本当の天敵『ウチダザリガニ』を料理にして出すお店もあります。マリモ関係のグルメを楽しむことができます。

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