マリモの水槽に現れたアオミドロの繁殖対策

マリモを育てている水槽に長くてゆらゆらした藻が増えてくることがあります。

見た目も緑なのでマリモが増えたかと思って喜んでいたら、明らかにマリモとは藻の質が違う……?

丸めてみると一応丸くなりますが手触りはヌルヌルしていますし、やっぱりマリモとは違います。調べて見ると全く別の生物でガッカリ。

マリモより繁殖力が強く、短期間で増えるみたいです。

アオミドロが繁殖することによる産業分野での弊害としては、水田では稲の成長を妨げることが知られています。ひどくなると除草剤による駆除を行う必要も出てくるそうです。

アオミドロの生態

アオミドロの見た目アオミドロの細胞内の螺旋状の葉緑体
アオミドロの性を実験的に誘導して13種の同定に成功 – 東京大学 大学院理学系研究科・理学部

アオミドロは緑藻綱ホシミドロ科アオミドロ属に属する淡水性の微細糸状藻です。地域によっては「モラモラ」とも呼ばれるそうです。

接合藻類と呼ばれるグループに含まれ、陸上の植物に最も近縁な藻類と考えられています。

マリモと違って細胞が分岐せず、一本の長い藻体となります。細胞の大きさは幅40~50μm、長さ60~100μmです。

細胞の中の葉緑体がバネのように螺旋状に並んでいるのが特徴です。よく理科の顕微鏡を使った授業の教材として使われることがありますので、観察した経験のある方もいるかもしれません。

英語では Spirogyra と呼ばれますが、この名前の由来はバネ(spring)に似た葉緑体です。

アオミドロが増える条件

アオミドロは初夏に増える傾向にあることが知られています。アオミドロの成長には硝酸(窒素)が重要であり、これが増えやすいのがその時期であるとされます。窒素源が多いとよく増殖するそうです。

藻なのでマリモと同様に光合成によって成長するのですが、光合成を行うのに適した温度は異なっています。アオミドロの光合成は水温が35℃で最も効率が良くなるとされ、マリモと比べるとかなり高温です。

マリモは水温30℃を超えると生存自体が危うくなりますので、アオミドロはマリモより高温に強い藻と言えるでしょう。

以上のことからマリモの水槽にアオミドロが増える場合、水が富栄養化(窒素など栄養塩類が増加)していたり水温がマリモに適した温度よりも高くなっている可能性があります。

水槽の水換えを行い、涼しい場所に置くように気を付けると良いと考えられます。

マリモにくっついてしまった場合、見た目が似ているので物理的に取り除くのは大変です。こういう時はマリモの暗闇に強い性質を利用して、マリモを密閉容器に入れて冷蔵庫で長期間保存すると良いでしょう。

一緒に丸くなれないも?

不思議がるまりこちゃん

参考

マリモの水槽に現れたアオミドロの繁殖対策」への2件のフィードバック

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