丸いだけじゃない!マリモの様々な形態について

マリモと言えば、その名の由来の通り毬のようなまん丸な姿が思い浮かびます。

しかし、マリモは球体だけでなく、実は様々な姿(形態)で生きているのです。

様々なマリモの形
出典: Reproduction key to maintenance of marimo shape | Hokkaido University

丸くなくても
マリモだも
マリモくん
いろんな仲間がいるもね!

駆け出すまりこちゃん

これらの色々なマリモの形態について紹介します。

浮遊型マリモ(糸状体マリモ)

集まらずバラバラになっている糸くずのようなマリモです。

この糸状体の一つひとつがマリモの正体と言えます。英語ではフリーフローティングフォーム(free-floating form)と呼ばれます。

マリモの正体(一本のマリモ)

多核の細胞が一列に並んで糸状になっています。この糸状体が束になり、大量に集まってマット状や球状の形態となります。

球状マリモが岸に打ち上げられてバラバラになると、大きな破片以外はこの糸状体の姿となります。

集合型マリモ(球状マリモ)

これがいわゆる「マリモ」です。

着生あるいは浮遊型(糸状体)マリモが集まって絡まり、波によって回転することで綺麗なまん丸の球体が形成されます。

流水によってまん丸になったマリモ

波の力や湖底の地形などの環境が整ったとき、初めてマリモは丸く成長できます

綺麗な球形になるのは、全体にまんべんなく日光があたるためです。

マリモが丸くなるのは、水の流れによる回転運動と、マリモを形作る糸状体の性質によります。マリモの糸状体は枝分かれをしていて、表面がざらざらしているので、マリモの回転運動により美しい球体を作り出すことができます。
そしてマリモは植物なので、光合成をして成長します。マリモの上の方に日光があたると上部の糸状体が光合成をして成長し、上部が重くなると下方に回転します。すると今まで光があたっていなかった部分に日光があたります。
このように成長と回転をくりかえすことで、全体がまんべんなく光合成をすることができます。
マリモを楽しむ-丸くなるしくみ-

球状マリモは日のあたりが良い浅瀬(水深5m以内)に集中して群生していることが知られています。

水の流れが無いとマリモは球体になれず、既に球体になっていたマリモも崩れてしまいます。

実際に水の動かない水槽で球状マリモを長期間育てる実験を行った結果、表面がボサボサになって最終的に球体は壊れてしまったそうです。

また、球状のマリモはその構造からさらに二種類に分けられます。

中心から放射状に糸状体の藻が整列して伸びている放射型マリモと、糸状体が集まって絡まり球体となった纏綿型マリモがあります。

中身が違う二種類の球状マリモ 放射型と纏綿型

着生型マリモ

小石や貝殻、岩などにくっついて成長するマリモです。

急な崖の場所などに多いとされます。英語ではエプリシックフォーム(epilithic form)と呼ばれます。

岩にくっついて育つ着生型マリモ
「大量打ち上げ」から考えるマリモの秘密 – 文化庁広報誌 ぶんかる

マリモはまず、何かに付着した着生型として成長した後、剥がれて水の流れに乗って丸くなっていくと言われています。

阿寒湖の集合型マリモと浮遊型マリモは、着生型マリモと遺伝的に異なっていることが確認されています。着生型マリモは他の形態に比べて胞子(遊走子)を形成しやすいとされています。

自然の生息地では、水が湧き出ているところや岩石の側面にいるそうです。

自宅の水槽でもうまく育てるとガラス面にマリモが付着し、そのまま大きく成長する着生型マリモを見ることができます。

水槽のガラス面で成長する着生型マリモ

参考

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