マリモを飼っていると、時々別の藻類が水槽内に発生することがあります。見た目が同じ緑色をしている場合、肉眼ではマリモとそうでない藻の区別を付けるのは難しいです。
そんな時は顕微鏡で藻の細胞を確認できると一目瞭然。というわけで、実際に顕微鏡を使ってマリモの細胞がどんな姿をしているのか調べてみました。
目次
マリモの細胞の写真集
様々なマリモの切れ端を以下のように透明なプラスチック片の上に載せて観察しました。
外国産の輸入マリモ
こちらのマリモの細胞を観察してみました。
マリモの枝分かれした部分です。葉緑体が細胞にぎっしり詰まっているのが確認できます。マリモの細胞の形は綺麗な四角ではなく少し膨らんだ歪な形をしています。
さらに拡大してよく見てみます。
一つひとつの細胞の区切り目がはっきり確認できます。
国産の養殖マリモ
海外から来たマリモと同じように、細胞には膨らみが確認できます。
採取した場所が悪かったのか、葉緑体が抜けてしまった藻があります。
別の部分を取ってきて観察してみました。
マリモの太い細胞に細長い藻(別種類の藻?)が絡まっていました。これは分岐したマリモ……?
水面に浮かんでいた藻(マリモ?)
先程の国産マリモの写真に写っていた、マリモに絡みついていた細い藻でしょうか。
今までのマリモの細胞より明らかに細長いです。細胞の形も真っ直ぐしているように見えます。
葉緑体の様子からアオミドロではないと思いますが、一見するだけではマリモかどうかはよくわかりません。幼いマリモは細いというだけかもしれません。
マリモ糸状体は細胞一つひとつから多くの分岐が起こり、長さが太さの100倍にもなる細長い細胞も現れることが報告されています。そして、マリモには仮根と呼ばれる藻をくっつける働きをする根のような部分を持つ細胞が現れるそうです。[1]マリモ保護の普及啓発活動 阿寒自然誌研究会 片岡秀郎
確かに膨らんだ部分から細長くなった藻の分岐が始まっているように見えます。
以上のことから、これらもマリモであると考えられます。
使用した顕微鏡
今回使用したものはネット通販で購入した、MAXLAPTERの光学顕微鏡です。値段は一万円程度でした。
スポイトやピンセット、観察サンプルのガラスプレートなど付属品も豊富です。
観察している物をスマホのカメラで撮影するための便利なアタッチメントも付いてきました。
不満点を挙げるとするなら開封時から本体に黒ずんだ汚れがあったことと照明切り替え用のツマミが異様に固くて回りにくいことですが、ツマミに関しては回しているうちに動かしやすくなってきました。顕微鏡としての観察機能に全く問題はなく、小さな物を非常にはっきり見ることができます。
レンズを組み替えることで最大2000倍(40x25x2)まで拡大できます。
これは最低倍率の100倍(25×4)の状態で撮影した写真ですが、定規のメモリ(1mm以下)に書かれた数字のインクの滲み具合まで確認できます。
マリモの細胞を観察しているときには、別の水性微生物の姿も確認できました。肉眼では綺麗な水でも、意外にも小さな生き物が沢山住んでいるようです。
生物の細胞や微生物を観察してみたい方におすすめの顕微鏡です。
おまけ
これはマリモを観察している最中に見つけた虫のような謎の微生物の動画です。頭にも尾にも2つの角のようなものがあります。
ピンバック: マリモ(毬藻)はどんな生き物?マリモの基礎知識 - マリモの広場
ピンバック: マリモが枯れるとどうなる? マリモの生死の確認方法 - マリモの広場
ピンバック: お土産のマリモ(養殖マリモ・人工マリモ)の育て方 - マリモの広場