マリモの住処である阿寒湖の特徴

阿寒湖の風景

北海道釧路市にある阿寒湖は、丸くて大きなマリモが現れることで有名です。

阿寒湖は火山噴火によって十数万年前に形成されたカルデラ湖であるとされます。雄阿寒岳、雌阿寒岳の二つの活火山に挟まれ、千島火山帯の西南端に位置しています。

阿寒湖は十数万年前に形成された古阿寒湖と呼ばれる巨大なカルデラ湖を起源とし、その中央河口から噴出した雌阿寒岳の溶岩によって、カルデラ内がいくつかにせき止められた結果、およそ1万年前に現在の姿になりました。
阿寒生涯学習課 広報くしろ8月号

他の地域では見られない大きくて丸いマリモが阿寒湖で育つ理由は、この湖が持つ特別な環境によるものと考えられています。

周辺部には人の手が加えられていない自然の森林が広がっています。阿寒湖周辺の土地の多くが前田一歩園財団によって管理されています。

2005年に湖面全域がラムサール条約に登録されました。

マリモは阿寒湖のどこにいる?

マリモは主に阿寒湖の北側に生息しています。

北部には2つのマリモ群生地(チュウルイ湾とキネタンペ湾)があり、これらは小河川の浸食で谷地形が発達して小さな入り江となったものです。

阿寒湖にあるマリモの群生地の地図
阿寒湖チュウルイ湾におけるマリモの湖岸打ち寄せ・打ち上げ機構に関する考察 山本省吾 若菜勇 中瀬浩太 島谷学

球状マリモはこれらの群生地の水深2m程度の場所にいます。

阿寒湖の大きさ・深さ

阿寒湖の平均水深は 18.7m で、最も深いところで 42m とされます。

湖の面積は 13.3km2 で、周囲の長さは 25.9km です。

阿寒湖だけに丸く大きなマリモが生まれる理由

マリモが球状になるには、以下の環境要因が整う必要があります。

現在、世界において阿寒湖のみがこれらの条件を満たしているのです。

風による波

湖上を吹き抜ける風が波を起こすと、湖の中では水の動きが起こり、湖底にいるマリモもその場で非常にゆっくり回転します。

風が来ない場所では波の影響を受けられず丸くなれません。しかし、波が強すぎると、すぐに岸に打ち上がってしまいます。

湖底の遠浅の地形

阿寒湖でマリモが成長するところは水深が2m程度で、マリモが転がるための空間が確保されています。

動けないような水深の深い場所では波が起こらず回転できませんが、逆に水深が浅すぎても岸に打ち上がってしまいます。

ミネラル成分豊富な湧き水

阿寒湖の湖底から湧水が出ていることが確認されています。湧水にはミネラル・塩分が含まれることが報告されています。

阿寒湖の湖水成分もマリモの成長に重要であると考えられています。

阿寒湖では北側から塩分濃度の低い、雨水に近い水が川を通じて入ります。一方、雄阿寒岳側からは、カルシウムやマグネシウム、ソディウム(ナトリウム)の濃度が高い水が、湧水として入ってくる。それから南の方からは、硫酸イオンを高濃度に含む成分の水が入ってくるということで、水源の水質も非常に多様です。そして、こういった多様な水環境の中で、ミネラルを豊富に含む冷泉がある場所でマリモの群生が確認されています。
マリモ特別天然記念物指定60周年記念事業報告書 マリモ国際シンポジウム2012

阿寒湖はマリモ発祥の地?

世界のマリモの遺伝子を調査した結果、祖先となるマリモは日本に集中していることが確認されています。さらに、阿寒湖は祖先マリモが現存する国内の湖として最も古いことがわかっています。

海外のマリモは、日本から渡り鳥などによって運ばれた可能性があると言われています。

世界中のマリモの起源は日本?

阿寒湖の歴史

阿寒湖の名前はアイヌ語が由来となっていると考えられています。

現在の阿寒湖畔温泉の地名は、アイヌ語のウグイの産卵場の川口いう意味の「ラカンプト」から、ラカン、アカンと変化したという説と、大地震の時に微動だにしなかった雄阿寒岳を指して「アカン」(不動のという意味)と呼んだという2つの説があり、いずれにしても阿寒はアイヌの歴史とともにあったことは間違いない。
北海道・阿寒湖畔温泉 観光振興調査報告書 お土産編

参考

マリモの住処である阿寒湖の特徴」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です