冬になると、マリモが住む阿寒湖の水面もカチカチに凍ります。
凍った湖面の上に降った雪が積もるため、冬の間マリモはほとんど光が届かない暗い水底で生活しています。マリモは暗闇に強い性質を持っているので、光が届かなくても長い間生きていることができます。
逆に湖が冷たくなったときに湖面が凍らない方がマリモにとって良くないことが研究によって示唆されています。
マリモは強い光に弱い?
マリモの細胞(糸状体)に強すぎる光が当たると、その光合成装置が壊されてしまうことが知られています。
一方で、マリモは強い光によって受けた傷を修復できる仕組みを持っています。
しかし、湖面の氷がなくなって水温が低い状態のまま強い光に当たると、マリモの自己修復できずに枯れてしまう恐れがあると言われています。
低温では光合成装置を修復するための酵素が働かないためだそうです。
阿寒湖の凍った水面が、冬の間マリモを守っているのかも知れません。
現在、地球規模の環境変化の影響で阿寒湖が凍っている期間も短くなっているそうです。
変化する環境の中でマリモをどう守っていくのかを考える上で、このような研究は非常に重要だと考えられます。