阿寒湖のマリモは、台風や嵐などによる強い風によって起きた波によって押し流され、湖から岸や浅瀬に打ち上げられることがあります。
マリモの群生地であるチュウルイ湾では、マリモが大量に湖岸へ打ち上げられる現象が定期的に起こっており、5〜9年に一度のサイクルで発生すると報告されています。
例えば、2002年10月2日の台風21号によって湖岸の距離約60m、幅7〜12mに渡り、多くのマリモが打ち上げられました。最近では、2021年6月14日に打ち上げが確認されています。
打ち上げられたマリモの一部は自然に湖へ戻っていきます。
これはマリモのライフサイクルですが、マリモは乾燥に弱いため陸地に打ち上げられてしまうと枯れて死んでしまう危険性があります。冬であれば、湖面の凍結によって被害を受けてしまう恐れもあるとされます。
そのため、発見された場合は人の手によってマリモたちは湖へ戻されます。
昔は、湖岸に打ち上げられた球状マリモは、細かくなってしまうため、被害とみなされてきたが、今日では、細かくなっても再び生長ができるため、生態的過程として捉えられている。阿寒生涯学習課の若菜氏によると、保護・管理上の措置として、乾燥や凍結による枯死が発生しない限り、自然の推移に任せる方針でいるという。
アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]_2007年12月
過去のマリモ打ち上げの時期
チュウルイ湾では、以下の時期にマリモが大量に岸に打ち上げられています。
- 1957年7月
- 1965年9月
- 1972年10月
- 1978年10月
- 1987年9月
- 1995年11月
- 2002年10月
- 2007年10月
- 2013年11月
- 2021年6月
2016年にもマリモの打ち上げが起こりましたが、その時はマリモが少なく水草が大半であったとされます。
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