国内に生息するザリガニは「ニホンザリガニ」以外、全て外来種とされます。
最近、沖縄で数匹確認されたザリガニが外来種の「ミステリークレイフィッシュ」であると報告されました。
このザリガニが国内に定着すると問題になると考えられており「定着予防外来種」として指定されているザリガニです。
名前にもミステリーが含まれるこの謎のザリガニは一体どのような生き物なのでしょうか。
目次
ミステリークレイフィッシュの見た目は?
体色は青や灰色、緑っぽい茶色など様々で、頭から胸やハサミなどにマーブル(大理石)状の模様があるため「マーブル・クレイフィッシュ」とも呼ばれます。
ハサミは小さく、全長も最大10cmであり、そこまで大きくはありません。
水温が15℃以上で繁殖可能と考えられており、西日本地域では定着する恐れがあります。
他のザリガニとの見分け方は、背中の左右にある二本の線が大きく離れているかどうかです。この二本の線がくっついているのはアメリカザリガニで、離れているとミステリークレイフィッシュである可能性が高いです。
一体でも増殖できるザリガニ?
1995年にアメリカのフロリダ州、エバーグレーズで捕獲されたものが最初に発見された個体とされています。初めは別のザリガニだと考えられて愛好家によって飼育されていたのですが、急に飼育できないほど増殖したというのです。
ミステリークレイフィッシュの最大の特徴は、自分のクローンを生み出すことで増えることができる能力(単為生殖)です。この能力によって発見から10年ほどで爆発的に増殖し、現在はヨーロッパ全域とマダガスカルに定着しているようです。
アメリカに住むスロウザリガニと遺伝的に近いことが知られていますが、そのスロウザリガニの生息地からは発見されていません。
人によって飼育されていたものが突然変異によって単為生殖ができるようになり、現在のミステリークレイフィッシュになったのではないかと考えられています。まさにミステリーです。
マリモへの影響は?
今のところ、ウチダザリガニとは違い、直接マリモを食べるというような被害は報告されていません。しかし、今後定着して増加した場合、生態系にどのような影響があるかは未知数です。
2006年に札幌で発見されており、北海道で生息できる可能性があります。
単為生殖をする点ではマリモに似ている…と言えなくもないかもしれません。