大きな球状マリモの中には何があるのでしょうか?
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マリモの中身は空?
マリモの直径が小さいときは中まで藻が詰まっていますが、ある程度大きくなると内部まで日光が届かなくなります。
すると中心部の藻が枯れ、それがマリモの中に住む微生物の働きによって分解されるので中が空洞になります。
直径が大体7、8cm以上になると、中に空洞ができ始めるとされます。
マリモに住む微生物は、マリモの表面と内側で種類が異なっていることが報告されています。マリモの内側に近付くにつれ、酸素が少ない環境で生きられる微生物が増えることが知られています。
集合体は糸状体の小さな塊を始原とし、風波や水流による回転運動を受けながら放射状に伸長生長して直径を増大させた。直径が 8~10cm に達すると、中心部分の糸状体が枯死・分解して空洞を生じ、分布水深の浅い阿寒湖ではさらに、空洞を拡大させながら 30cm を超える大きさまで生長する場合が見られた。
阿寒湖とミーヴァトン湖におけるマリモ集合体の維持・崩壊過程 若菜勇, Árni Einarsson, 小川麻里
球状マリモの藻の厚さは最大でも約5cmとされます。それより厚くはなれないため、直径5cmを超えると徐々に中に空洞ができ始めます。
マリモ内部をMRIによって内部を調べたところ、表面から4〜5cmより内側では空洞化していることが実際に確認されています。
以下の写真の通り、直径6.2cmのマリモの中心もわずかに空洞ができ始めていることが確認できます。
Marimo machines: oscillators, biosensors and actuators | Journal of Biological Engineering | Full Text
マリモの中の空洞には水が含まれます。小さな藻の塊が入っていることもあるそうです。
マリモが十分に回転できないと、この空洞に含まれる水が停滞して微生物による分解が進行してマリモが壊れやすくなると考えられています。
また、大きくなると藻の層は薄くなるため壊れやすくなります。
直径が20cmほどに達すると、表層はしばしば2cm程度まで薄くなり、自らの構造を支えられなくなって水中で潰れたり、球状マリモとしての比重が小さくなるため水流によって移動しやすくなり、湖岸に打ち上げられて破損したりする。
阿寒湖のマリモ保全対策検討委員会 マリモ保護管理計画
マリモの中の水は漏れにくい
大きくなったマリモを湖から出しても、中に入った水は簡単には漏れ出ていかないことが知られています。逆に、中の水を抜いたマリモには水が入りにくいので水に浮かぶそうです。
このマリモの気密性の高さには、マリモと共生するバクテリアの働きが関わっていると考えられています。
マリモ内部の水は約105時間をかけて交換されると言われています。マリモ内部で剥がれる糸状の細い藻の塊は水中酸素濃度が低い内部で分解されて、マリモ全体に栄養を提供する役割を持つそうです。
この仕組によって栄養の少ない水中でもマリモは成長できるのです。
参考
- 広報くしろ 8月号 阿寒湖のマリモを、もう一度見つめ直してみませんか?
- THE FLINTSTONE (bayfm 78.0MHz) :世界でただひとりの「マリモ」の博士!〜若菜 勇さんに聞く“マリモが丸くなるわけ!?”
- A geometrical approach explains Lake Ball (Marimo) formations in the green alga, Aegagropila linnaei | Scientific Reports
- 阿寒湖のマリモはなぜ丸くなるのか?世界唯一マリモ研究室学芸員に聞く│北海道ファンマガジン
- マリモにも年輪がある! 〜地上最小スケールの栄養循環〜 | Research at Kobe
- FMくしろ 昼下がりのメゾン『月曜日の談話室』(7月19日14:15〜14:45放送)
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まりもの中に何もないというのがよくわかった