「マリモが転がる」と言えば、水底をコロコロと転がるイメージを持たれるかも知れませんが、実は阿寒湖の丸いマリモたちの普段の転がり方は違っています。
マリモはその場で回転する
風によって起こる水中の波でマリモは転がるのですが、湖底の球状マリモは密集しており移動できるスペースはありません。マリモは重なり合っているので、他のマリモの上を移動せずに転がることになります。
これによってマリモ同士の藻が擦れて表面が磨かれ、球形になっていくことが確認されています。そしてこの回転はかなりゆっくりであるとされ、回転数は1時間に1〜2回だそうです。
風が湖の上を吹き抜けると、波が立ちます。湖の下では水の動きが回転し、湖底にいるマリモもその場で回転します。回転すると言っても映像を早回ししてようやく確認できるほどゆっくりですが、この動きが重要で、動けないような水深の深い場所だったり風が来ない場所だったりすると波の影響を受けられず丸くなれません。
阿寒湖のマリモはなぜ丸くなるのか?世界唯一マリモ研究室学芸員に聞く│北海道ファンマガジン
回転することで日光も球体全体に満遍なく当たるため、成長も表面全体で均一化されます。
マリモが大きな球体になるためには、ボールのようにコロコロ移動して転がるのではなく、その場でゆっくり転がることが重要なのです。