シュリコマベツ湾(シリコマベツ湾、尻駒別湾)は阿寒湖の西部にあります。湖の尖った部分です。
チュウルイ湾と同様に、以前はマリモの群生地でした。シュリコマベツ湾の南側にある大崎にもマリモが住んでいました。
しかし、1925年頃に行われた森林伐採による土砂流入など地域の開発作業が発端となり環境が激変したため、1956年の調査でシュリコマベツ湾のマリモが姿を消してしまったことが判明しました。
1920年代後半(1924年11月6日発行の釧路新聞によると1924年、三好〔1938〕によると1929年)、シュリコマベツに流入する尻駒別川の上流で森林伐採が行われ、伐木を流送した結果、マリモが土砂に埋没したり、水質が汚濁したりするなどの被害が発生し(菅野 1934、三好 1938)、1940年代には壊滅状態に陥った(舘脇1949)。
マリモ保護管理計画|北海道釧路市ホームページ
過去にはいなくなってしまったマリモを復活させようと、チュウルイ湖岸に打ち上げられたマリモを移植する作業が行われました。しかしながら、マリモは定着せず計画は頓挫していました。
マリモの生育を妨げる湖の富栄養化は改善したと言われていますが、まだマリモが現れる気配はありません。
2021年6月から、環境省が主導するシュリコマベツ湾のマリモ生育地再生事業が本格的に始まりました。マリモ保護管理計画では、シュリコマベツ湾は「マリモを学ぶ場・マリモと触れあう場」として整備することがかねてより計画されていました。
ちなみに、マリモ(毬藻)の名付け親である川上瀧彌氏が初めてマリモを発見したのはシュリコマベツ湾でした。
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