黒海やカスピ海に住むゼブラ貝(Zebra mussels)は、シマウマのような縞模様のある指の爪ほどの大きさの小さな二枚貝です。カワホトトギスガイとも呼ばれます。
日本ではウチダザリガニと同様に特定外来生物に指定されています。
2021年現在、このゼブラ貝がアメリカで大量発生しています。
ゼブラ貝は一度に数万〜数十万個の卵を産むと言われるほど驚異的な繁殖力を持っているとされます。
足糸という繊維状物質を分泌して壁などにくっつく性質を持ち、水道を詰まらせたり船に取り付いたりして最悪の場合エンジンを爆発させることすらあるなど、経済的打撃(推計毎年10億ドル以上)を与えています。
主にペットの輸入を介して他国に広がるとされています。そして、ウクライナから輸入されたベタの水槽の装飾用マリモに、このゼブラ貝が付着している例が報告されています。
アメリカ地質調査所(USGS)が確認したレポートによれば、2021年2月25日時点から過去2ヶ月の間に輸入された水槽用マリモのほとんど全てにゼブラ貝の住み着いていたとされています。
この水槽用マリモが阿寒湖で天然記念物とされているマリモ(Aegagropila linnaei)と同じ種かは不明です。別の藻をただ丸めたものなのかも知れませんが、ゼブラ貝を移動させないためにマリモを破棄せざるを得ない状況となっています。
マリモの生息が確認されているスウェーデンのエルケン湖では、ゼブラ貝も生息していることが知られています。
いまのところ、直接日本のマリモには関係ないかも知れませんが、人の手を介して外来種が入ってきてしまう可能性はあります。
これ以上、阿寒湖に有害な外来種が増えることがないことを祈ります。