山梨県の天然記念物「フジマリモ」とは?

阿寒湖のマリモの変種として、山梨県の天然記念物に指定されている「フジマリモ」があります。昭和31年(1956年)4月18日発見され、昭和33年(1958年)6月19日に天然記念物として指定されました。

フジマリモは阿寒湖のマリモとはどこが違うのでしょうか?

フジマリモについて

フジマリモは、1956年(昭和31年)、山中湖村村立山中小学校の児童が山中湖で直径2cmほどの緑色の球状の藻を発見し、同校の当時の校長であった杉浦忠睦氏が報告・命名しました。漢字では富士毬藻です。

後に河口湖や西湖、精進湖、本栖湖などでも発見され、いずれも天然記念物に指定されています。青森県の小川原湖沼群にも生息しています。

阿寒湖のマリモと同様、球形になることが知られていますが、阿寒湖マリモより柔らかく、構成細胞の数の違いなどが報告されています。

水深3〜7m程度まで生息が確認されています。

山中湖で見つかったフジマリモ
山中湖村教育委員会・国立科学博物館 山中湖のまりも

Niiyama(1989)は形態の比較から,羽生田・植田(1999)とHanyuda et al.(2002)はリボソームDNAの比較から,マリモに品種や変種を認めないとする見解を示してはいるが,山中湖のフジマリモは阿寒湖のマリモほど剛直でなく,柔らかいとされており(Okada 1957),フジマリモとマリモの先端細胞の形態や基部から第一分岐までの細胞数では差異が示されている(杉浦 1992)……
山梨大学教育学部 富士北麓, 精進湖に生育するフジマリモの分布状況

フジマリモは発見当初はマリモとは別種と考えられていましたが、DNA分析によって種としては阿寒湖のマリモと同じものであることが確認されています。

フジマリモは減っている?

残念ながら現在は球状のものは見つからなくなり、糸状体があるのみとなっているようです。山中湖の水温上昇がフジマリモ現象の一因であると考えられています。

2021年3月、同委員会が2019年9月と2020年3月に再度実施した生息調査の結果を報告。前回調査でフジマリモが多く見つかった岩場には今回、別種類の藻が増殖。見つかったフジマリモの個体数は目測で前回調査の半分以下になっていて、丸くなりつつあるフジマリモは見つからなかったという。調査を担当した専門家は原因として、山中湖の水温に着目。平均水温が過去40年で約2度上昇していたほか、近年の夏はフジマリモの生育環境には適さないという25度以上の水温が続いていたことが判明。
富士五湖のフジマリモ – 富士山NET|ふじさんネット|富士山情報 まるごとおまかせ!

発見された山中湖にはマリモ公園があり、記念碑が建てられています。

フジマリモのキャラクター

フジマリモをモチーフとしたキャラクターについて紹介します。

MARIぴーちゃん

「山中湖姫まりもの会」によって作られたフジマリモのキャラクターに「MARIぴーちゃん」がいます。

山梨県山中湖のフジマリモキャラクター「MARIピーちゃん」

姫まりもちゃん

フジマリモは別名「ヒメマリモ」と呼ばれます。山梨県山中湖の観光PRキャラクターとしてフジマリモを擬人化した「姫まりもちゃん」がいます。

山中湖の観光PRキャラクター「姫まりもちゃん」
姫まりもちゃん-山中湖観光のPRキャラクター。|イメキャラブック

姫まりもちゃんの着ぐるみ
姫まりもちゃん | ご当地キャラ大図鑑道場 | エンターテイメント | まにあ道 – 趣味と遊びを極めるサイト!

参考

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